佐倉杏子 | よう、さやか。オマエも来てたのか? |
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美樹さやか | 杏子、それにマミさんも……? |
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巴マミ | 街中の結界を端から潰していったおかげで、魔女の結界の居場所はこの辺りだって予想して来たの。 |
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魔女を確認してから、みんなに知らせようと思ってたんだけど。美樹さんも同じことを考えて来たのかしら? |
美樹さやか | ……どうして来たんですか?魔女退治はあたし1人でやるって言いましたよね。 |
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佐倉杏子 | バカ言えよ。それじゃあグリーフシードがオマエに独り占めされちゃうじゃんか。 |
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美樹さやか | そんなせこいこと言わないわよ。あとでちゃんとアンタにもあげる。 |
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巴マミ | そういう問題じゃないわ。みんなで戦ったほうが絶対に安全よ。ね、そうでしょう、美樹さん。 |
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佐倉杏子 | そういうことだ。ヒヨッコが、アタシら先輩を差し置こうなんて十年はえーぞ。 |
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美樹さやか | ……へえ。ふたりとも、ずいぶん仲がよくなったんだね。 |
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巴マミ | え? あら、やだ。べつにそういうわけじゃないのよ。たまたま一緒に行こうって話になっただけよ。 |
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佐倉杏子 | そ、そうだぞ。変なこと、勘ぐるんじゃねえよっ。 |
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美樹さやか | ふたりが昔みたいに仲良く魔法少女をやれるようになったんなら、なおさら戦うのはあたし1人で充分だよ。 |
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佐倉杏子 | おい、さやか! いい加減にしろよ。いつまで強情張ってんだよ。 |
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巴マミ | 美樹さん、あの時は黙ってたけど、自暴自棄になるのは間違いよ。 |
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1人では限界があるわ。美樹さんの痛ましい姿を、先輩として放っておけないの。 |
美樹さやか | ……こんなことになってるのに、今さら先輩づらされても困ります。 |
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あたしのことは、もう放っておいてください……。 |
巴マミ | 放っておけるわけないじゃないっ! |
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美樹さやか | マミさん……!? |
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巴マミ | 聞いて、美樹さんっ! みんなと出会う前、私は佐倉さんと一緒に行動していたときが、確かにあったわ。 |
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……楽しかった。それに、何よりも嬉しかったわ。同じ志の魔法少女に初めて会えたんだから。 |
だけど……、ある悲劇が起きて、佐倉さんは私の元を去っていってしまったの。 |
私は止められなかった。あの時……、 |
今のあなたのように心の底から傷ついている、初めてのお友達を助けられなかった。何もできなかったわ……。 |
佐倉杏子 | マミ……。 |
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巴マミ | でも、今またこうして彼女と一緒に行動できるようになった。美樹さんたち、みんなと出会ったおかげで。 |
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これは先輩だからじゃない。私は、大切なお友達を、もう失いたくないの。 |
美樹さやか | マミさん……。マミさんは、こんなになったあたしのことでも、……友達だって言ってくれるんですね。 |
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巴マミ | 当たり前じゃない。だから、ね? 美樹さん。 |
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馬鹿な考え方はやめて、またみんなと一緒に戦っていきましょう。 |
美樹さやか | マミさん……。ありがとう、本当にありがとうございます……。 |
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だけど、もう遅いみたい、です。だって、ほら。これがあたしのソウルジェム……。 |
巴マミ | えっ!? これって! |
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佐倉杏子 | さやかっ、オマエ、このソウルジェム、真っ黒じゃねえーかっ!! |
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美樹さやか | あたしのことをちゃんと心配してくれる人たちがこんなにいて…… |
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マミさんや杏子、それにまどかたちのために頑張るって選択肢もあったはずなのに。 |
……あたしって……、ほんとバカ。 |