佐倉杏子 | あれ? なんだよ、まだお茶の準備ができてないのか。 |
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巴マミ | 淹れたてのほうがいいでしょう。いまお湯を沸かしてくるから、少し待っててちょうだい。 |
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佐倉杏子 | えー! こっちは魔女退治で腹ペコだっつーの。我慢できないって!何か食わねーと死んじまうよぉ。 |
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鹿目まどか | 杏子ちゃん、そんなこと言ってるけど……もう何か食べてるじゃない? |
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佐倉杏子 | これは(モグモグ)とっておきの(パクパク)非常食だから(ハグハグ)あまり食べたくねーんだよ。 |
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鹿目まどか | た、食べるか、しゃべるか、どっちかにしたほうがいいよ……。 |
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美樹さやか | あんたねぇ……一応聞くけどさ、それってどうやって手に入れたのよ? |
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佐倉杏子 | あン? なんだよ、疑ってんのか?へへーんだ、こいつはマミが焼いたお菓子だよ。 |
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お生憎さまだね。アタシだって好きでフラフラしてる訳じゃねーんだ。今はちゃんとやってるよ! |
美樹さやか | ちゃんとって……魔法を使って手に入れてるんならちっともちゃんとじゃないんじゃん! |
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佐倉杏子 | 昔はともかく今はマミん家にいるんだそんなことに魔法使ったりしねーよ! |
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鹿目まどか | 杏子ちゃん……マミさんの家で一緒に暮らしてるの? |
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美樹さやか | ふ~ん、そうなんだー。ずいぶん仲が良くなったもんだわー。 |
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いや、この場合は違うね。「昔みたいに」仲良くなった……ってのが正解かなぁ? |
佐倉杏子 | バカ! そんなんじゃねーよ!!アタシはいいって言ったんだけど、その……マミがしつこいんだよ。 |
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アイツ、新しい必殺技のポーズと掛け声を考えちゃ、アタシを練習に付き合わせたいだけなんだよ! |
それにさ、マミはずっと一人暮らしで物騒だろうから、その……アタシと一緒のほうがいいかと―― |
……あれ? |
美樹さやか | ありゃりゃ、途中から本音が出てるわこりゃ本当に、おふたりは寄りをお戻しになったようで。 |
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鹿目まどか | よかったねー、ふたりとも!マミさんもホントはさびしがり屋さんだし……ちょうどいいよ。 |
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暁美ほむら | ちょっと待って!佐倉杏子……その話、本当なの?! |
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鹿目まどか | えっ……突然、ど、どうかしたの、ほむらちゃん? |
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暁美ほむら | あなたたち、そんなに仲が良かったかしら? 昔の関係はそんなに簡単なこじれ方じゃなかったわよね? |
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鹿目まどか | ちょっと、ほ、ほむらちゃんっ。そ、そんな言い方ダメだよぅ……。 |
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美樹さやか | 転校生っ! あんた、いったい何が言いたいのよ!? 杏子とマミさんが仲良くなったら悪いのっ?! |
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暁美ほむら | ……ごめんなさい、今のは私が悪かったわ。ちょっと気になったものだから……悪気はないの。 |
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ただ……鹿目まどか。あなた、ずいぶん巴マミの性格に詳しいのね。何かあったのかしら? |
鹿目まどか | え? ……うーん、別になにかあった訳じゃないけど……その、なんとなくマミさんはそういう人かなぁーって。 |
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暁美ほむら | そう……ごめんなさい。突然割って入ったうえにおかしなことを聞いてしまって。 |
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お互い知り合って間もないのに、ずいぶん相手の気持ちがわかるから不思議に思っただけ。 |
美樹さやか | はぁ? なによ、あんた。あたしたちが仲が良いとおかしいって言いたいの? |
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とことんカワイクないわねぇ!早くどっか行っちゃえ! あんたなんかにマミさんのお菓子はやらんっ! |
キュゥべえ | 待ちたまえ、暁美ほむら。君だけいつもひとりで、みんなと一緒じゃなくていいのかい? |
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暁美ほむら | そんなこと、あなたには関係ないわ。それより、ずっとそこで私たちを見ていたの? |
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あなたが興味があるのは、私たちの戦いぶりだけだったはず。 |
キュゥべえ | ああ。[主人公名]が加入して、他にもいろいろと気になることができてね。 |
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暁美ほむら | まあ、いいわ。今はあなたに尋ねたいことがあるの。さっきのやりとりなんだけど…… |
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キュゥべえ | マミと佐倉杏子の人間関係かい? |
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暁美ほむら | 話が早いわね。私の見てきた世界では、あのふたりがあんな関係になったことは一度もなかった。 |
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キュゥべえ | この世界が君の予定してた世界とは違う。そう言いたいのかい? |
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それより君もみんなと話をしたり、食物や水分を摂取してみたらどうだい? |
暁美ほむら | 私にそんな余裕はない。今度こそ……まどかを守ってみせるためにも。 |
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キュゥべえ | ならば、無理強いはしないよ。ただ気になることがあってね。 |
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暁美ほむら | 気になること? |
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キュゥべえ | 君の時間遡行能力は確かに素晴らしい……ただ決して万能ではなく、あくまで時間を巻き戻すだけだ。 |
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運命まで変えることができるとは、どうしても僕には思えないんだ。 |
暁美ほむら | それは……今回も私がまどかを救えないと言いたいの? |
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キュゥべえ | まどかを救いたいという君の目的はともかく、君は[主人公名]の力を利用したいわけだ。 |
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だとしたら、利用すべきその力の性質を君は誤解してるんじゃないかな? |
暁美ほむら | さっきから一体なに?あなたは何が言いたいの? |
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キュゥべえ | ……暁美ほむら。君のソウルジェムだけ、あの謎の発光をしていないんだろ? |
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暁美ほむら | っ!? |
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キュゥべえ | 観察していて気がついたんだ。理由はまだよくわからないけどね。 |
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どうやら君の考えていた計画は、すでに破綻し始めている。 |
そう考えるのが妥当なんじゃないかな……暁美ほむら? |