巴マミ | さあ、佐倉さん。今日もはりきって、勉強と運動、がんばりましょうね! |
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佐倉杏子 | いい加減にしろっ! もうやってられるかってんだっ! |
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巴マミ | どうしたの、佐倉さん? いきなり大声出して。ご近所迷惑よ。 |
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佐倉杏子 | こうも毎日毎日味気ないメシばっかなのに、そのうえ問題集を山積みされたらたまんねーよ! |
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おまけに変な踊りまでやらされて。何がエクササイズだ。盆踊りのほうがまだマシだ。 |
おまけに動きにくいフリフリの服まで着させられそうになるし、もう耐えられないんだよ! |
これ以上続けるなら、アタシはもうこの家を出ていくからな! |
巴マミ | だけど、これも佐倉さんのためを思って、私もよかれとやってるのよ。 |
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ちょっとぐらい辛いことでも、我慢しなくちゃ立派な魔法少女にはなれないわよ。 |
佐倉杏子 | どうして粗食や勉強、おまけに洋服と美容エクササイズが魔法少女に関係するんだよ! |
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巴マミ | 関係あるわよ。私たちは他の子たちからすれば、ベテランの魔法少女。つまり、先輩なのよ? |
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内面だけじゃなく、外見もしっかりしてなくちゃ、先輩として務まらないじゃない。 |
佐倉杏子 | な、なんじゃそりゃ?! やり過ぎだとは思ってたんだけど、マミっ、オマエ、ついに本音が出たな! |
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巴マミ | な、なによ。私の本音って。なんだか、私がやましいことでもあるみたい。 |
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佐倉杏子 | そうだろうがっ! オマエがあいつらにいい恰好したいのはわかってんだよ。それにアタシを巻き込むな! |
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巴マミ | い、いい恰好だなんて、……私、そんなつもりは一切ありませんっ。 |
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佐倉杏子 | 嘘つけっ!だいだいオマエは昔から他人に気を使いすぎなんだよ。それで自分まで犠牲にしてさ。 |
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自分がやりたいこと我慢してまで恰好つけても仕方がないだろ? 少しズボラぐらいが丁度いいんだよ! |
巴マミ | 何よ何よ、好き放題言って! 佐倉さんが毎日ゴロゴロしてるのが悪いんじゃない! |
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そ、そりゃ私の考えに付き合わせちゃったかもしれないけど……。 |
それでも私は佐倉さんのことが心配なんだからっ! |
今までの生活もあるから、けじめのない生活に慣れちゃって、夜遊びが癖づいたりしてないか不安なの! |
佐倉杏子 | え!? そ、そうなのか? |
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巴マミ | それなのに、……せっかく戻ってきてくれたと思ったら、……出ていくなんて言わないでよ。 |
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佐倉杏子 | ……マミ。そんなにアタシのこと、気にかけてくれてたのか……。 |
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……だ、だけど、今のやり方は、極端すぎるだろ? その、もうちょっとなんとかしてくれよ。 |
アタシだって、この家を出ていきたいわけじゃないんだからさ。 |
巴マミ | もう知らない! ゲームでもお菓子でも、好きにすればいいじゃないっ! |
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佐倉杏子 | あ、おい、マミ! アタシが悪かったよ。待てよ、どこ行くんだよ!? |
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